税務調査の連絡が来たら、まず何をすべきか?
「税務調査の連絡が来た…」
特に初めての経験であれば、「何か悪いことをしたのだろうか?」「どれくらい調べられるのだろう?」と不安で頭が真っ白になるかもしれません。
しかし、結論から言うと、税務調査は事業を続けていれば誰にでも起こり得る、申告内容を確認するための「通常のプロセス」です。
この記事を読むことで、「税務調査とは何か?」という基本から、「連絡が来たらまず何をすべきか?」という具体的な初期行動までを理解し、冷静に準備を進められるようになります。
税務調査とは?福岡の企業・個人事業主が知っておくべき基本
税務調査とは、納税者が行った確定申告の内容が正しいかどうかを、税務署の職員(税務調査官)が帳簿や書類などを確認することでチェックするものです。
税務調査は「任意調査」が基本だが、実質的には拒否できない
一般的に、テレビなどで報道されるような「強制捜査」は国税局査察部(通称:マルサ)が行うもので、悪質な脱税が疑われる場合に限られます。
私たちが通常受けるのは「任意調査」と呼ばれるものです。
ただし、「任意」とは言っても、正当な理由なく調査を拒否することは「納税義務」の観点から認められていません。
調査官には質問検査権が与えられているため、基本的には協力する義務があります。
調査の主な目的は「申告内容の確認」と「適正な課税」
税務調査の目的は、申告された所得や税額が、法律に基づいて正しく計算されているかを確認し、公正・公平な課税を実現することにあります。
主に、以下のような点に着目して調査が行われます。
| 調査の主な着眼点 | 具体的なチェック項目(例) |
|---|---|
| 売上の計上漏れ | 期末の売上計上タイミング(期間帰属)、現金売上の管理状況 |
| 経費の過大計上 | プライベートな支出(家事費)の混入、領収書のない経費 |
| 人件費・外注費 | 源泉徴収の適正性、個人事業主への支払いが給与とみなされないか |
| 在庫・棚卸資産 | 在庫の評価方法、実地棚卸との差異 |
ほとんどの場合、意図的な脱税ではなく、「経理処理のミス」や「税法の解釈の違い」から、指摘を受けることになります。
【緊急対応】税務調査の連絡が来たら、慌てずにまず実行すべき「5つのステップ」
税務調査は、通常10日〜2週間程度前に、税務署から電話で連絡が入ることが一般的です。
この連絡を受けたときこそ、冷静な初期対応が後の結果を大きく左右します。
ステップ1:税理士に連絡・相談する(最優先事項)
税務調査の連絡を受けたら、何よりも最優先で、顧問税理士または税務調査に強い税理士事務所に連絡を取りましょう。
税理士に依頼することで、以下の大きなメリットが得られます。
- ・連絡窓口の一本化: 税理士が窓口となり、調査官とのやり取りや日程調整を代行します。
- ・当日立会い: 調査当日の立会いを依頼できます。専門家が同席することで、読者の皆様が不利になる発言をしたり、不必要な資料提出を求められたりすることを防げます。
- ・事前の万全な準備: 調査のポイントを把握し、必要な資料の選定と整理をサポートしてもらえます。
税務調査は「税理士の立会い」があるのとないのとでは、精神的な負担も、最終的な結果も大きく変わるのが現実です。
ステップ2:連絡内容(調査日時・対象期間など)を正確にメモする
税務署からの電話で、以下の基本的な内容を正確にメモし、税理士に伝達できるようにしましょう。
| 項目 | 確認・メモすべき内容 |
|---|---|
| 担当調査官 | 氏名、所属部署、連絡先 |
| 調査日時 | 開始日・終了予定日(通常は1~3日間) |
| 対象期間 | 何年何月分から何年何月分までか |
| 対象税目 | 法人税、消費税、所得税など |
| 準備すべき書類 | 連絡があった時点で指示された書類 |
ステップ3:調査対象の帳簿や資料をリストアップし、整理を始める
対象期間の「帳簿」や「請求書・領収書」などの証憑書類をリストアップし、整理を始めます。
焦って書類を改ざんしたり、紛失している書類を探そうと深夜まで作業したりする必要はありません。
まずは現状の書類がどこに、どれだけあるかを把握することが重要です。
ステップ4:過去の申告内容や現在の状況をセルフチェックする
税理士への相談前に、ご自身で申告書を改めて見直し、特に売上や経費で金額が大きく変動した箇所などを確認しておくと、
税理士もスムーズに対策を立てることができます。
「これは経費として認められるのだろうか?」「この取引の処理は正しかったか?」といった、ご自身で気になっている懸念点を洗い出しておきましょう。
ステップ5:調査官とのやり取りは「税理士を介す」ことを伝える
もし税理士に依頼することが決まっていれば、調査官からの質問や追加の連絡に対しては、
「専門家である税理士に一任しますので、今後は税理士を通してご連絡ください」と伝えましょう。
これにより、調査前の予期せぬ質問攻めや、不必要な情報を提供してしまうリスクを回避できます。
【福岡版】初期対応を円滑に進めるための「税務調査に強い税理士の選び方」
税務調査の成否は、適切な準備と、どの税理士にサポートを依頼するかで大きく決まります。
特に福岡で事業を行う皆様が、税務調査対策のアウトソーシング先を選ぶ際のポイントは以下の3点です。
ポイント1:税務調査の「立会い実績」が豊富であること
日々の税務顧問は得意でも、税務調査の立会いの経験が少ない税理士も存在します。
調査官とのやり取りには独特のノウハウと交渉力が必要です。
- ・立会い経験が豊富か
- ・過去にどのような成功事例があるか
- ・調査後の「修正申告」や「更正の請求」にも精通しているか
上記を確認し、調査対応に特化した実績を持つ税理士を選びましょう。
ポイント2:事業内容や業界知識に精通していること
調査官は、その業界特有の商慣習や経理処理を理解していないことがあります。
建設業、飲食業、IT業など、貴社の事業内容を深く理解している税理士であれば、業界特有の慣習に基づいた経費や売上計上の正当性を、調査官に対して論理的に説明しやすくなります。
ポイント3:福岡でのフットワークが軽く、迅速に対応できること
緊急度の高い税務調査では、迅速な対応が求められます。
- ・福岡県内の税務署の特性を理解しているか
- ・面談や資料整理などで、すぐに訪問対応が可能か
地域密着でフットワークの軽い税理士事務所であれば、不安な時にすぐ相談でき、調査直前や当日もスムーズに動いてもらえます。
まとめ:税務調査は適切な準備とプロのサポートで乗り切れる
税務調査の連絡は驚くかもしれませんが、適切に対処すれば必要以上に恐れることはありません。
最も重要なのは、パニックにならず、すぐに専門家である税理士に相談することです。
税理士が初期対応から調査当日、その後の交渉までをサポートすることで、お客様は本業に集中しつつ、最善の結果を得ることができます。
福岡での税務調査対策は、当税理士事務所にお任せください
当事務所は、福岡で数多くの税務調査立会いを経験し、お客様の不安を解消し、納得のいく結果へと導いてきました。
突然の税務調査はもちろん、事前の対策やご相談も承っております。